大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)では、社会の仕組みや課題をゲームを通じて体験的に学ぶ「シリアスゲーム」を活用した教育を進めています。こうした学びをきっかけに、学生たちが自主的に体験会や交流の場を企画し、社会課題をテーマにしたオリジナルゲームを制作する活動が広がっています。2026年11月1日~3日の大阪大学の学園祭「まちかね祭」でも、SSI学生プロジェクトがシリアスゲームを紹介しています。

■ ゲームを通じて社会の仕組みを体験的に学ぶ

シリアスゲームは、娯楽だけでなく教育や社会課題への理解などを目的とするゲームです。資源の有限性と協力、企業経営の意思決定、環境や地域社会の課題などを、自分自身の選択や他者との関わりを通して体験できます。大阪大学の授業「ソーシャルソリューション未来体験ラボ ~ボード・カードゲームで人と社会を体感・創造~」でも、多様なゲームを教材として活用しています。

■ 学ぶ側から、学びの場をつくる側へ

SSIの「シリアスゲームプロジェクト」や「学生のつどい」では、学生自身がゲームを選び、体験会や交流の場を企画・運営しています。2026年4月の新入生向け体験会を皮切りに、経営、起業、環境などをテーマとする多様な企画を重ねてきました。学生が準備や説明、振り返りの場づくりに取り組むこと自体が、主体性や協働する力を育む機会になっています。
 

主な活動(2026年度)

開催日 内容
4月3・6・7・8日 新入生向けシリアスゲーム体験会
4月26日 学生のつどい・車座の会:若者と大人が4種類のゲームを体験
5月21日 ハンバーガーゲーム
6月18日 新規事業開発ゲーム/おいでよ!スタートアップ村
6月26日 脱プラスチックすごろく
7月5日 いのちの縁日
11月21日(予定) 戦略MG(マネジメントゲーム)

■ 学生が脱プラスチックをテーマとするゲームを制作

2025年秋には、SSIの脱プラスチックプロジェクトの学生たちが、大学の2025年度秋冬学期の授業に呼応して、オリジナルの「脱プラスチックすごろく(プラすご)」を制作しました。プラスチックの削減、再使用、再資源化と日常の選択とのつながりを考えるゲームです。授業最終回で学生たちに体験してもらった後、2026年度の春夏の授業や秋冬学期の授業でも実施され、多くの学生が学びを得て共感を示しています。6月26日には「学生のつどい」でも取り上げられました。

■ 大学や世代をこえて学びを広げる

2026年8~9月の「SOLVE! ソーシャル・アントレ道場」シリーズでは、第1回(8月21日・立教大学)で「Get The Point」、第2回(8月26日・上智大学)で「Game of Choice」と「脱プラスチックすごろく」を体験してもらいました。4月26日には、学生のつどいと車座の会が、若者と大人が一緒に4種類のゲームを体験する場を設けました。ゲームを通じて大学や世代をこえた対話が生まれています。

■ 学生の成長と、将来のキャリアにつながる経験

学生たちは授業で学ぶ側から、自分たちで企画を立て、仲間を集め、ゲームを制作し、参加者に伝える側へと活動を広げています。こうした経験は、社会課題への理解を深めるだけでなく、企画力、コミュニケーション力、協働する力、課題を発見して行動する力など、将来のキャリアや社会との関わり方を考えるうえで大切な学びになります。まちかね祭での出店も、学生が自らつくった学びを来場者へ広げる実践です。

■ 2027年夏、いのち会議・SSIの子ども向けワークショップへ

学生が制作した「脱プラスチックすごろく」は、2027年夏に横浜で開催される「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」で、いのち会議と大阪大学SSIが実施する子ども向けワークショップでも活用される予定です。大学授業から生まれた学生の取り組みが、子どもたちが環境や暮らしについて考える新たな場にも広がっていきます。

■ 教育を支える研究にも発展

学生制作の「脱プラスチックすごろく」は、学生自主研究事業を通じた学生自身の研究にもつながっています。また「Get The Point」については、SSIの研究者がゲーム体験による理解や意識の変化など、教育効果を調査しています。学生の自主的な実践が、教育と研究の双方に新たな可能性をひらいています。

【関連情報】

シリアスゲームプロジェクト  https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/student/seriousgameproject/

脱プラスチックプロジェクト  https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/student/plastic-free-project/

関連授業  https://ou-sdgs.celas.osaka-u.ac.jp/program/2025/prm137835/